カレーで世界旅行:各国の食文化とその特徴

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カレーで世界旅行:各国の食文化とその特徴

カレーは、世界中で愛されている料理の一つで、その国ごとに独自のスタイルと風味を持っています。

インドのスパイシーなバターチキンから、タイの香り高いグリーンカレー、日本のクリーミーなカレーライスまで、各国のカレーはその地域の文化と歴史を映し出しています。

この記事では、世界各地のカレー文化とその特徴を探りながら、味わい深いカレーの旅にご案内します。さあ、スプーンを手に取り、カレーで世界を旅してみましょう。

目次

はじめに

カレーは、日本をはじめ世界各国で愛されている料理です。発祥の地・インドから周辺諸国に広がり、さらにイギリスを経てヨーロッパや日本にも伝わりました。

地域ごとに気候や食材、宗教的な背景が異なるため、カレーのレシピや調理法も変わります。その結果、各地で味わい深い独自のカレーが生まれました。

インドから始まったカレーが、各国の食文化と融合し、それぞれの国でオリジナリティあふれる料理へと進化していったのです。

今回は、世界各国のカレーとその食文化についてご紹介します。

世界の代表的なカレー料理

北インドカレー

北インドカレー
気候夏と冬で寒暖差が激しい
主食ナン、チャパティなど小麦中心
主なスパイス・クミン
・ターメリック
・ガラムマサラ
・カルダモン
・ナツメグ
※パウダースパイスが多め
カレーの特徴スパイシーで、香り豊かなスパイスを使う。
油が多く、こってりクリーミーでまろやかな味わい
代表的な食材鶏肉
ラム
ヨーグルト
トマト
玉ねぎ
代表的な料理・チキン・マカニ(バターチキン)
・パニール・マカニ(パニールのバターカレー)
・ロガンジョシュ(羊肉のカレー)

インドカレーは地域によって異なる特徴がありますが、主に北インドと南インドでの違いが顕著です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

北インドは夏と冬の寒暖差が激しい地域です。小麦やライ麦を生産しているため、主食はナンやチャパティなどを食べています。

ギー(バター)などの油をたっぷり使い、トマトや玉ねぎを炒めて甘味と旨みを引き出します。鶏肉やラム肉が多く、こってりとクリーミーな味わいのカレーです。

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南インドカレー

南インドカレーのミールス
気候高温多湿で、年中温暖
主食米中心
主なスパイス・マスタードシード
・コリアンダー
・カレーリーフ
・フェヌグリーク
・チリパウダー
・タマリンド
※ホール・スパイスをよく使う
カレーの特徴スープ状のカレーが多い
定食のようなミールスという文化がある
代表的な食材魚介類
豆類
ココナッツ
代表的な料理・サンバル(豆と野菜のスパイシーなスープ)
・ラッサム(トマトとスパイスの酸味のあるスープ)
・ドーサ(クリスピーな米粉のクレープ)

インド国内でも地域によって使われるスパイスや食材は異なります。

南インドは一年を通して温暖な気候で、米の栽培に適しています。そのため、南インドではお米が主食であり、カレーと惣菜を組み合わせた定食スタイルの「ミールス」という食文化が根付いています。

南インドのカレーは、スープカレーのようにサラサラとしたテクスチャーが特徴で、スパイシーな味わいが好まれています。

また、海に面しているため、魚介類を使用したカレーも人気です。さらに、ココナッツミルクを使って煮込んだコクのあるカレーも広く親しまれています。

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ネパールカレー

ネパール料理、ダルバート
気候1年を通して暖かい
主食インディカ米などの米中心
主なスパイス・クミン
・コリアンダー
・ターメリック
・カルダモン
・クローブ
カレーの特徴スパイスや油が控えめ
マイルドな味付けが多い
サラサラとしていてヘルシー
代表的な食材・鳥肉
・豆
・トマト
・玉ねぎ
・野菜(じゃがいもやカリフラワーなど)
代表的な料理・国民食ダルバート
・モモ(チベット風の餃子)
・パパド(薄い揚げせんべい)
・チャウミン(焼きそば風の麺料理)

ネパールは北にチベット自治区、その他はインドと接している内陸国で、インド料理や中国料理の影響を強く受けています。

インド料理ほどスパイスや油を使用しないため、日本人にも好まれる味付けが特徴です。

ネパールの国民食である「ダルバート」は、食事の定番メニュー。

ご飯を主食に、チキンや野菜のカレー、豆のスープ、アチャール(スパイス漬けの漬物)を添えていただきます。

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タイカレー

盛り付けられたグリーンカレー 赤唐辛子と青唐辛子が散らばる ハラペーニョ カイエンペッパー
気候年間平均は約30度で暑い
主食タイ米や米粉で作った麺
主なスパイス・レモングラス
・こぶみかん
・唐辛子
・バジル
・パクチー(コリアンダー)
カレーの特徴フレッシュハーブを使って、カレーペーストを作る
発酵調味料を使う
代表的な食材・ココナッツミルク
・カピ(えびを使った発酵調味料)
・ナンプラー
・プラーラー(淡水魚を使った発酵調味料)
代表的な料理・グリーンカレー
・カオマンガイ
・ガパイライス

タイ料理の特徴は、生のスパイスやハーブを使うことで、フレッシュな香りが引き立つことです。

タイでは、「クロック・ヒン」と呼ばれる石臼を使って、生のスパイスやハーブを潰してペースト状にします。この方法によって、他の料理にはない爽快感のある香りが生まれ、食欲をそそります。

このペーストにココナッツミルクや発酵調味料を加えることで、「グリーンカレー」「レッドカレー」「イエローカレー」などのカレーの素が作られます。

ペーストの調合によって、それぞれのカレーが持つ独特の風味が生まれます。

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スリランカカレー

豆と豆腐のカレーとご飯
気候高温多湿
主食米中心
主なスパイス・クミン
・フェンネル
・フェヌグリーク
・クローブ
・カルダモン
・シナモン
カレーの特徴・スパイスをローストした芳ばしい香りがある
・ご飯とカレーが中心で、惣菜をごはんを中心に盛り付ける
・ローストカレーパウダーを使用する
代表的な食材・魚介類
・ココナッツミルク
・鶏肉
・豆類
・牛肉
・モルジブフィッシュ(鰹節)
代表的な料理・ライス&カレー
・ビリヤニ(スパイス炊き込みご飯)
・ホッパー(米粉クレープ)
・カトレット(コロッケ風)

南インドと隣接しているスリランカでは、使用する食材やスパイスに似た特徴があります。島国であるため、シーフードがよく食されるほか、多くの人が仏教徒であるため牛肉も食べられています。

スリランカカレーの大きな特徴は、焙煎したスパイスを使ったローストカレーパウダーです。このパウダーによって、スモーキーな香りが加わり、他の国のカレーにはない独特の魅力を引き出しています。

スリランカには「モルジブフィッシュ」と呼ばれる干し魚があります。

これは日本のカツオ節に似ており、うまみ成分が凝縮された保存食です。焙煎して作られるモルジブフィッシュは、スリランカカレーには欠かせない重要な食材です。

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パキスタンカレー

ビリヤニ
気候寒暖差が激しい。水が豊富。
主食チャパティ、米(チャワル)中心
主なスパイス・クミン
・コリアンダー
・カルダモン
・胡椒
カレーの特徴・パキスタン料理の4大構成要素は、パン、米、野菜、肉
・肉料理が多い
・スパイスをたっぷり使う
・スープカレーが多い
代表的な食材・鶏肉
・ラム肉
・山羊
・冬は魚を食べる
代表的な料理・シンディ・ビリヤニ
・シークケバブ
・コフタ
・ケバブ

パキスタンは、もともと同じ文化圏であった北インドの影響を強く受けています。使用されるスパイスや食材も似通ってるようです。

肉料理が多く、鶏肉、ラム、山羊が食卓にあがります。国民の90%以上がイスラム教徒の国なので、豚肉は食べません。

カレーの他には、肉や野菜を入れたスパイスの炊き込みご飯「ビリヤニ」が人気です。

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シンガポールカレー

シンガポール料理「ヘッドフィッシュカレー」
気候一年中温暖
主食米中心
主なスパイス・コリアンダー
・カレーリーフ
・エシャロット
・ターメリック
・レモングラス
カレーの特徴・南インドに似ている
・ココナッツミルクでクリーミー
・シーフードを使用したカレーが多い
代表的な食材・シーフード
・ココナッツミルク
・チキン
代表的な料理・フィッシュヘッドカレー
・ラクサ
・チリ・クラブ

シンガポールは、多民族国家であり、中華料理、インド料理、マレー料理が融合した多国籍料理が楽しめる場所です。

美食の街としても有名で、宗教上の制限がある方でも美味しい料理を楽しむことができます。

シンガポールのカレーは、主に南インドからの移民が持ち込んだレシピの影響を受けています。特にココナッツミルクとシーフードを使ったクリーミーな味わいが特徴です。

中でも「フィッシュヘッドカレー」は名物料理で、1950年代に南インドのケララ州出身の料理人が作り始めたとされています。魚の頭を丸ごと使い、甘味と辛味、魚のだしが効いた、食べやすいカレーです。

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インドネシアカレー

ネパール、マレーシア料理「ナシゴレン」
気候一年中暑く、雨季と乾季がある
主食米中心
主なスパイス・唐辛子
・ターメリック
・スレー(木の実の皮)
・コリアンダー
カレーの特徴・唐辛子をペーストにした調味料のサンバルがよく使われる
・ココナッツミルクでコクをだす
・スープ風のサラサラとしたテクスチャー
代表的な食材・サンバル(唐辛子ペースト)
・ナッツ類
・鶏肉
・魚介
・アッサム(ドライフルーツ)
代表的な料理・ナシゴレン
・ソト・アヤム(インドネシア風春雨スープ)
・ルンダン・サピ(肉の煮込み料理)
・カリアヤム(インドネシア風チキンカレー)

インドネシアは紀元前からスパイスの産地として知られ、中国やヨーロッパ諸国に香辛料を輸出してきました。そのため、多くの民族がインドネシアを訪れ、多国籍の料理が集まり、独自の食文化が生まれました。

現在、インドネシアは約300の民族が共生する多民族国家で、食文化も多様です。

料理は主にパダン料理、ジャワ料理、バリ料理の3つに大別されます。

インドネシア料理に欠かせないのが、唐辛子のペースト「サンバル」です。

インドネシアのカレーは、辛さが控えめで、スープカレーのようにサラサラしています。また、油の使用も控えめで、比較的ヘルシーなカレーが多い印象です。食べる際には、お好みでサンバルを加えて辛さを調整します。

\ジャワ島のココナッツミルク・チキンカレー/


イギリスカレー

テーブルにのるチキンカレー カリフラワーとインディカ米、パクチーなどのハーブ、唐辛子
気候四季がある
主食じゃがいも
主なスパイスカレー粉
カレーの特徴・本場風のカレーもある
・インドから伝わったカレーをヨーロッパ人の舌に合うように改良
代表的な食材・鶏肉
・牛肉
代表的な料理・チキンティッカマサラ
・チキンカレー
・フィッシュ&チップス

18世紀にインドからイギリスに渡ったスパイスは、イギリス人の手によってミックススパイス「カレー粉」に発展しました。これにより、スパイスの配合をしなくても、誰でも簡単にスパイス料理を楽しめるようになりました。

現在では、全英で約8000軒以上のカレー・レストランが営業しており、英国人好みに味付けされたカレーが非常に人気です。これらのレストランカレーは、外食の定番となっています。

また、イギリスではインド周辺では一般的に食べられない牛肉を使ったカレーや、小麦粉でとろみをつけたシチュー風のカレー、いわゆる欧風カレーも楽しまれています。

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日本のカレー

日本の家庭料理カレーライス
気候四季がある
主食米中心だが、パン、麺も食べる
主なスパイスカレールウ
カレーパウダー
カレーの特徴・欧風カレーを改良したカレールウを使用
・小麦粉でとろみをつけたカレー
・ご飯にかけて食べる
・その他ご当地カレーが人気
代表的な食材・肉
・玉ねぎ
・にんじん
・じゃがいも

日本のカレーは、明治時代にイギリスから伝わった欧風カレーを基にしています。とろみのあるシチュー風のスープが特徴で、カレーライスは老若男女に愛される人気のメニューです。

家庭では、カレールーを使うことが一般的です。肉や野菜を煮込んだ後、ルーを加えるだけで、自宅でも簡単に美味しいカレーを作ることができます。

最近では、スパイスを使ったカレー作りが流行しています。レシピが本やテレビで紹介され、スパイスを使って本格的なカレーを楽しむ人が増えています。

また、北海道のスープカレーや金沢のカツカレー、出汁のきいた京都・大阪のカレーなど、地域ごとの食材を活かしたカレーも人気です。

日本全国でスパイスを楽しむカレー文化が発展し、個性的なスパイス料理を楽しむことができます。

\美味しい和風の肉じゃがカレーが自宅で簡単に食べられる/


お家でおいしいカレーを楽しもう

今回は世界のカレーと食文化をご紹介しました。

世界のカレーは、その地域ごとにユニークな特色を持ち、食文化の豊かさを体現しています。

これらのカレーを通じて、各国の食文化や歴史に触れることができるとともに、新しい味わいの発見にもつながります。

次回の食事には、ぜひ世界のカレーを取り入れて、その土地の魅力を感じてみてください。どのカレーも、あなたの食卓を豊かにし、異文化を楽しむ素晴らしい体験となることでしょう。


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